jeudi 24 septembre 2020

中山『標準ラテン文法』練習問題解答 (1)

中山恒夫『標準ラテン文法』(白水社、1987 年) 第 1 課と第 2 課の解答例。この本は全国の大学等で教科書としてよく使われているためか、すでに二三の同様のブログ記事が見つかるので屋上屋を架すの感も免れないが、いずれもすべての課をカバーはしていないうえ、私じしんも含めてみな所詮は学習者による試みであるから、間違いのクロスチェックのためにも複数あることは無駄ではなかろう。また、語形変化の練習とラテン語作文の問題はどのサイトも飛ばしているようなのでこの点はこのブログの独自色である。

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第 1 課


§6 練習


cantō (1) : cantō, cantās, cantat, cantāmus, cantātis, cantant; 不定法 cantāre.

habeō (2) : habeō, habēs, habet, habēmus, habētis, habent; habēre.

lūdō (3) : lūdō, lūdis, lūdit, lūdimus, lūditis, lūdunt; lūdere.

faciō (3b) : faciō, facis, facit, facimus, facitis, faciunt; facere.

veniō (4) : veniō, venīs, venit, venīmus, venītis, veniunt; venīre.

和訳


〔以下、現在形の動詞は文脈によって現在進行 (〜ている) のようにも訳せる。「『……する』か,『……している』かは文脈で判断することになる」(田中『ラテン語初歩』§28)。〕

1. 彼らは歌い笑う。

2. 私は書くのではなく読む。

3. 彼らは歌うだけでなく上手に踊りもする。

4. 君は読みも書きもしない。

5. 彼らは働くか遊ぶかする。

6. 君は黙っているが泣いていない。

7. 誰が歌い笑っているか。

8. 笑うことは許されていない。〔licet が 3 人称単数なのは不定法 rīdēre が主語の非人称表現。cf. 松平・国原『新ラテン文法』§539.〕

9. なぜ君たちは眠らないのか。

10. いつ君たちは歌うのか。―― 今日は私たちは歌わない。

作文


1. Nōn modo legit, sed etiam scrībit.

2. Neque flent neque rīdent.

3. Cūr nōn saltātis?

4. Hodiē nōn labōrō.

5. Tacēs et ambulās.


第 2 課


練習


〔主 (呼) 属与対奪の順。呼格は主格と異なる場合のみ括弧書きし、同じ場合は省略した。〕

puella : puella, puellae, puellae, puellam, puellā; puellae, puellārum, puellīs, puellās, puellīs.

poēta : poēta, poētae, poētae, poētam, poētā; poētae, poētārum, poētīs, poētās, poētīs.

discipulus : discipulus, (discipule), discipulī, discipulō, discipulum, discipulō; discipulī, discipulōrum, discipulīs, discipulōs, discipulīs.

fīlius : fīlius, (fīlī), fīliī (約音化 fīlī), fīliō, fīlium, fīliō; fīliī, fīliōrum, fīliīs, fīliōs, fīliīs.

gener : gener, generī, generō, generum, generō; generī, generōrum, generīs, generōs, generīs.

magister : magister, magistrī, magistrō, magistrum, magistrō; magistrī, magistrōrum, magistrīs, magistrōs, magistrīs.

和訳


1. 詩人は娘に物語を語る。

2. 詩人たちの物語は少女たちの気に入る。

3. 詩人は少女たちに物語によって喜びを与える。

4. 少女たちは詩人たちを愛し詩人たちの物語を記憶せねばならない。

5. 君たちはどこへ行くのか。

6. 農夫の娘はこちらへバラを運ぶ。

7. ブリタンニアとシキリアは島である。

8. 私は考える、ゆえに私はある。

9. 生きることは戦うことである。

10. 祖父は少年にしばしば物語を語る;すると少年はとても喜ぶ。

11. なぜ君は本を読まないのか、マールクスよ。

12. 君たちは友人たちに援助をもたらす。

13. 少女は庭を彫像で飾る。

14. 生徒たちは先生の言葉に喜んで従う。

15. 奴隷たちは主人たちの命令に従う、主人たちを愛しているためか、罰を恐れているためかで。

作文


1. Magister discipulō librum dat.

2. Epistula poētae fīliae placet.〔手紙を litterae とする場合は動詞は 3 複 placent。気に入る人が与格で、気に入られる物が主格の主語のため。このことは現代語、たとえばフランス語 plaire やイタリア語 piacere でも同様。〕

3. Fīlia poētae hūc rosās [rosam] fert.

4. Puella fābulam agricolae memoriā tenet.

5. Quō īs?〔この問題文を見ると、ヨハネ 13:36 (ギリシア語 ποῦ ὑπάγεις; の訳) に由来しシェンキェーヴィチによる歴史小説のタイトルとしてもよく知られている Quō vādis? を思いつきやすいだろうが、この動詞 vādō は本書付属の単語集に載っていないので使わなかった。〕

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