samedi 8 janvier 2022

田中・松平『ギリシア語入門』練習問題解答 (6)

田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語入門』(岩波書店、新装版 2012 年) の練習問題の解答例。このページでは第 21 課から第 24 課までを扱う。



XXI 人称代名詞


§206. 練習問題 38


1. その人たちは私たちを好み、私たちもまた彼らを好む。

2. 神はあなたに善きものを与えている;それによってあなたは神を愛し (神に) 仕えるだろう。

3. 私ではなくあなたが責任者だ。

4. 私はあなたの弟子で、あなたは私の先生です。

5. 君には子ども (たち) がいるか。——私には息子がいる。

6. 私たちをあなたがたは説得 (でき) ないだろう;なんとなれば私たちはあなたがたを信じていないから。

7. 涙は私たちにとって苦悩と悪いこととの薬である。

8. 他の人たちには他のことが好ましい。私たちを喜ばすのは私たちのことで、君たちを (喜ばすのは) 君たちのことである。〔蓼食う虫も好き好き。〕

9. 君の兄はどこにいるか。——兄は家で私とともに静かにしている。〔会話の状況が不明。電話があるわけでもあるまいに、どうしてこの会話をしている私が兄といっしょに家にいることができるのか?〕

10. 明日私たちは君たちのところへ祝宴の見物に行くだろう。

§207. 練習問題 39


1. οὐχ ἡμεῖς ἐσμεν αἴτιοι, ἀλλὰ ῡ̔μεῖς.

2. δίδωμί σοι, ὦ παρθένε φίλη, τὸν δακτύλιον τόνδε.

3. χθὲς ξένοι τινὲς ἦκον [ἦλθον] πρὸς [παρ’] ἡμᾶς ἐπὶ δεῖπνον.〔第 2 アオリスト ἦλθον はまだ習っていないが、使いたければ。〕

4. ἡμᾶς οὐ πείσει ὁ λόγος σου.

5. ἐμοὶ μὲν φίλον ἐστὶ τὸ ζῆν, σοὶ δὲ ὡς οὐδέν, ὦ ποιητά.


XXII アオリスト,現在完了,過去完了および未来完了の直説法中動相


§214. 練習問題 40


1. 彼らは川で水浴びし、神々に犠牲を捧げた。

2. 敵たちは悪行をやめた。

3. 君たちは何を論議しているのか。——私たちは何も論議していない、論議してある [し終えている] のだ。

4. 何日も私は病気のために入浴していなかった。

5. いったいまだそのソフィストの言葉はやんでいないのか。——いつになってもやまないだろう。

6. なんのゆえに彼らは戸を閉ざしてあるのか。

7. ソークラテースは 3 度出征したことがあった、デーリオンとアンピポリスとポテイダイアへ。

8. 兵士たちは敵の国へ進軍した。

9. 市民たちはもし敵たちが彼らのほうへ来るならば門を閉めてしまってあるだろう。

10. この人はアテーナイ人に対する戦争を喜んでやめてしまうだろう。〔ギリシア語の指示代名詞はかならずしも日本語の「こ・そ・あ」とは対応しない。§§137, 142 の説明のとおり、οὗτος とは「いま話題にしたところの、先述の」という意味あいがあるので、「この」と言ってもいい場合がある。〕

§215. 練習問題 41


1. ἆρ’ οὔπω οὗτος ὁ νεᾱνίᾱς πέπαυται τῆς κακουργίᾱς ;

2. ἐν τῷ ποταμῷ τρὶς ἐλουσάμην.

3. οἱ πολῖται ἐκλείσαντο τᾱ̀ς θύρᾱς τῶν οἰκιῶν αὐτῶν, ἐπέλαζον γὰρ οἱ βάρβαροι.

4. τοῖς θεοῖς ηὐξάμεθα καὶ ἐπορευσάμεθα εἰς τὴν πολεμίᾱν χώρᾱν.

5. ἅμα τῇ ἡμέρᾳ πεπαύσονται τῆς μάχης.


XXIII 再帰代名詞,相互代名詞および所有代名詞


§226. 練習問題 42


1. 悪人たちは互いを害する。

2. 賢者は自分自身のうちに財産を携えている。

3. 使者たちは将軍が彼らを派遣すると言っている。

4. 自分自身を知ることは知恵の小さくない部分だ。〔緩叙法。「小さくない」はじつは「とても大きい」知恵だと言っている。〕

5. 真実の友人たちには互いに対する嫉妬は存在しない。

6. 私たちが私たち自身のものであることほど、それほど私たちのものであるものは何もない。

7. 各々の人は自分にとって正しく見える。

8. その将軍は自分の市民たちから称賛を得ている。

9. 同じものに等しいものは互いに等しい。〔エウクレイデス (ユークリッド)『原論』の公理 1。同じ 1 つのもの A に対して、それに等しい 2 つのもの B, C がある、つまり B = A, C = A であるとき、B = C であるということ。τῷ αὐτῷ が A で、τὰ ἴσα と ἀλλήλοις が B, C。〕

10. 市民たちみずからが、彼ら自身にとっての現在の不幸に責任がある。

§227. 練習問題 43


1. ἡμῖν αὐτοῖς φαινόμεθα δίκαιοι.

2. ῡ̔μῖν συμβουλεύω, ὦ πολῖται, ἀλλήλοις πιστεύειν.

3. ἐν τῇ μάχῃ οἱ ἄνθρωποι ἀλλήλους ἀποκτείνουσιν.

4. τῑμὴν ἔχει ἐν ταῖς αὐτοῦ φίλοις.

5. ταῖς παρθένοις φθόνος ἐστὶ πρὸς ἀλλήλᾱς.


XXIV 第二アオリスト直説法能動相および中動相


§234. 練習問題 44


1. 舌 [言葉] はすでに多くの人々を破滅へ導いた。

2. 彼らは (自分たちのために) 異国の神々をよその諸部族から導入した。

3. その人は戦闘中に武器を投げ捨てて、死は逃れたが恥辱は (逃れ) なかった。

4. 何者も苦悩のない人生を送らなかった。〔いわゆる格言的アオリストとして、「苦悩のない人生を送る者はいない」と現在の意味で訳すこともできる。〕

5. スパルタ人にとって戦列を離れ戦闘から逃げることはもっとも恥ずべきことだった。

6. 彼は村人たちに村々を後にすることを強いた。

7. 私は君に似た息子を家に残してきた。

8. 僭主は死に、5 日のあいだに無法律状態があった。〔「5 日間にわたって (ずっと)」なら対格のはず。cf. §638.〕

9. 川に沿って兵士たちは穀物と葡萄酒に満てる多くの村々を発見した。彼らはその場所で 3 日間とどまっていて、(自分たちのために) 糧秣を補充した。

10. 彼らのうちのある者たちはそのまま川へ落ち、また他の者たちは逃げた。

§235. 練習問題 45


1. ὁ στρατηγὸς κατέλιπεν ἐν τῇ κώμῃ τὴν φυλακὴν καὶ εὐθὺς ἤγαγε τὴν στρατιᾱ̀ν εἰς τὴν πολεμίᾱν χώρᾱν.

2. ὁ ἀδελφός μου ἀπέθανεν [ἔπεσεν] ἐν τῇ μάχῃ.

3. ῡ̔μᾶς κελεύομεν τᾱ̀ς οἰκίᾱς εὐθὺς καταλιπεῖν.〔このあたりの不定詞がアオリスト時制なのは、継続や習慣などではない一回的な行為を表すため。時間的に過去であることや、ましてや完了であることは含意しない (完了には完了不定詞がある)。〕

4. (ἐκεῖνοι) νομίζουσιν αἴσχιστον (τὸ) τὴν τάξιν ἀπολιπεῖν.

5. οἱ μὲν αὐτῶν ἔφυγον, οἱ δ’ ἄλλοι ἀπέθανον.

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