『ポケットモンスター X・Y』の道路にはすべて別名がついており、大部分はフランス語から名づけられている。カナ表記にはヴァ行を使わずバ行になっているが、基本的には読みかたはあっているのでフランス語を知っていればすぐに由来がわかる。6 年まえの作品だが意外にもこれをまとめたページが見あたらなかったので解説してみた (フランス語でないものは原則として除いた)。
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1 ばんどうろ=アサメのこみち
2 ばんどうろ=アバンセどおり──過去分詞アヴァンセ avancé「(文化・文明的に) 進んだ、発達した;進歩的な」ととると最序盤の道路にはそぐわないし、不定詞アヴァンセ avancer「前進する」なら通るが以下でほかに動詞を使っている例はない。たぶん名詞アヴァンス avance「前進」の読みかたを間違えたものではないか。
3 ばんどうろ=ウベールどおり──ウヴェール ouvert「開いた、開いている;公開・開放された」。
4 ばんどうろ=パルテールかいどう──パルテール parterre「花壇」。
5 ばんどうろ=ベルサンどおり──ヴェルサン versant「斜面」。
6 ばんどうろ=パレのなみきみち──パレ palais「宮殿」。パルファムきゅうでんにつながる道だから。
7 ばんどうろ=リビエールライン──リヴィエール rivière「川」。ラインは英語。バトルシャトーのある川沿いの道。
8 ばんどうろ=ミュライユかいがん──ミュライユ muraille「壁;城壁、城塞」。コウジンタウンを取り囲む切り立った断崖にちなむか。
9 ばんどうろ=トゲトゲさんどう
10 ばんどうろ=メンヒルロード──メンヒル menhir はヨーロッパ先史時代の、数メートルの細長い石を直立させた巨石記念物を指す、ブルトン語から作られた術語 (maen「石」+ hir「長い」)。ブルトン語はフランス北西部ブルターニュ地方の言語で、フランスをモデルとしたカロス地方でもちょうどセキタイタウンはブルターニュのあたりに位置している。ロードはもちろん英語。
11 ばんどうろ=ミロワールどおり──ミロワール miroir「鏡」。うつしみのどうくつにちなむ。
12 ばんどうろ=フラージュどおり──フラージュ fourrage「まぐさ、飼い葉」。メェールぼくじょうにちなむ。余談ながらメェールぼくじょうはメェークルの脱字ではなく、メール mer「海」に由来するようだが (アズールわんにつながる立地から)、わざわざ「ェ」をはさんでいるのはメェークルともかけているために相違ない。
13 ばんどうろ=ミアレのこうや
14 ばんどうろ=クノエのりんどう
15 ばんどうろ=ブランどおり──ブラン brun「褐色の、茶色の」。カタカナで見るとブラン blanc「白い」のほうがさきに思いうかびやすいが (モンブラン Mont-Blanc のブラン)、現地の色あいからして前者のほうだろう。
16 ばんどうろ=トリストどおり──トリスト triste「悲しげな;陰気な、陰鬱な」。
17 ばんどうろ=マンムーロード
18 ばんどうろ=エトロワ・バレどおり──エトロワ étroit「細い、狭い」とヴァレ vallée「谷、渓谷」からなるが、フランス語では形容詞は一部の語を除いて後置で、しかも vallée は女性名詞なのでエトロワ étroit ではなくエトロワト étroite にしてヴァレ・エトロワトが正しい。
19 ばんどうろ=ラルジュ・バレどおり──ヴァレ vallée「谷」は上と同じもの。前半ラルジュ large「幅の広い」はエトロワと対になっている。
20 ばんどうろ=まよいのもり
21 ばんどうろ=デルニエどおり──デルニエ dernier「最後の」。チャンピオンロードにつながる最後の通りだから。
22 ばんどうろ=デトルネどおり──デトゥルネ détourné「遠回りの、迂回した」。序盤のハクダンシティから来られるが、チャンピオンロードに入るには遠回りしてすべての町を回ってこなければならないから。
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