jeudi 10 octobre 2019

デンマーク語素読――永遠のフィヨルドの預言者たち (5)

どちらへ、mester? これは英 Mister にあたる敬称の呼びかけ? セリフらしく見えるが引用符で括られていないのではっきりしない。1 人の drager が自身からその kærre を stillet した、そして彼のほうへやってくる。前半は完了、後半は現在。

彼は kuvert を取り出し (?)、それを広げ、adressen とともに紙をその drager に rækker する。船旅だしチケットかなあ、いや船旅は終わったのだとすると宿のチェックインかも。adressen はどう見ても英 address だがこういう多義語には罠がある。だがとりあえず「住所」ととっておいて大丈夫そうか。Drager はその紙を受けとろうとはしない。彼〔=drageren〕は疑わしげに彼〔=モーテン〕を見るああ、とモーテンは思う、〔この drager は〕文盲なのだ。「文盲」analfabet は万国共通なので明らかだ。このおかげでこの段落全体はおぼろげに理解できる。やはり搭乗券かなにかをモギリ (?) に渡しているのだろう。ホテルのフロントが文字を読めないのはちょっと考えにくい。いくら時代が違うとしても宿帳をつけられない者がフロント業務もないだろう。

北通り、とモーテンは言い、デンマーク語でそれを発音しようと試みる。出版者 (?) シュルツ (Schultz) の gård だ。前半はほぼ確実。forsøger は第 2 回で独 versuchen と仮設したもの。「出版者」bogtrykker は前半が「本」bog、後半が trykke でこれは独 drücken, 英 press なのでたぶんあっていると思う。このあたり、短い文章ですぐ段落が変わるので気が楽だ。

この道です、旦那、と drager は言い、彼を fører する。この動詞は案内か先導? ある tolder が彼の pas を folder ud しそれを studerer するところの porten へと。彼は passet を取り戻す。ああ、pas(set) はそのまま「パスポート」か。モーテンはべつの国からこのコペンハーゲンに来ていたわけだ。では studerer は独 studieren, 英 study で、「詳しく検討・検査する」というところか。それで porten は入国審査をする場所なのだろう。で、tolder がその審査官、でも日本語でなんと言ったかな? とりあえず審査官としておくか。

コペンハーゲンは学生を歓迎し希望します、と審査官は言う。muligvis に皮肉的な tonefald で。最後の単語は「トーン、調子」っぽい。mulig-vis もわかりそうな感じはするのだが。前半はたしか独 möglich, 英 possible「可能な、ありうる」のことだった気がする。

こうして彼は sted から traver する、小さな vippekærre の上の hælene のなかの町へ。vippe(r) も kærre ももう見たなあと思いつつわからない。彼は船旅のあとの benene の上で〔=によって?〕smule な usikker である。はい、第 3 回で定かでなかった skib「船」はこの「船旅」skibsrejsen のおかげで確定した。そして今もかつても (?) 少し slingre するために来る。なんだかおかしいな。町のなかの長い通行は overvældende である。「通行」trafikken というのはなんだかわからないがとにかく英語のトラフィックのこと。beværtninger と torvesalg への varer をもつ bondevogne が tordnende しながら来る。これはいけない。だが続きもまた訳のわからぬ単語が頻発する。エールの tønder をもった vogne、暗い skikkelser をもった diligencer が、bukken の上高くの ruderne と kuske の後ろに。さらに støvler を smældende し、目は死んだように stirrende fremad しながら、sted から行進する兵士たち。何度も出てくる af sted というのはいいかげんに辞書を引いたほうがいいな。sted それじたいは「場所、地点」で (では英語の廃語 stead と同源かな)、af sted だと英語の along と off、って「沿って」と「離れて」ではまったく正反対に見えるのだがどういうことなのか……。slagtede gæs か høns または kaniner でできた (?) 大きな bylter を肩に担ぐ男たち。この文はどうも動詞がない (bærer は関係代名詞 der 節のなかなので) 名詞句だけの文。次の文もそうかもしれない、skillingstryk をもって vifter し、彼らが同じ朝に udenad に覚えた韻文から strofer を vræler する少年たち。英 verse と同じ「韻文、詩歌」vers のおかげで少しは見えてくる、日常的な町の風景だ。Brostenene は sæbeglatte である、彼らは決定的でない hinde のなかで svøbt である。モーテンは snubler するが、自分を vender om し彼を引き上げる drageren の上の腕のなかに griber fat する。そのあとで彼〔=モーテン〕は彼〔=drageren〕を fortovet のなかに向かって厳しく skubber する。「厳しく」とした hårdt は英 hard の中性=副詞形、以前に出たときは自信がなかったが辞書で確認した。だが hard じたい多義的なのでこれまた文脈の助けがなければ訳しようがない。段落の半ばほどであるが少し疲れたので中断する。

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