dimanche 26 avril 2015

Collins『教会ラテン語入門』第 7 課

John F. Collins, A Primer of Ecclesiastical Latin, The Catholic University of America Press, 1985 をもとにまとめた勉強メモ.諸注意は第 1 課の冒頭に書いたものを踏襲する.前回までのエントリ:第 1 課第 2 課第 3 課第 4 課第 5 課第 6 課



36. 現在直説法受動態:全 4 活用


どの他動詞も受動態になりうる.現在直説法受動態は現在幹に受動態人称語尾を加えることで作る.

単数複数
1 人称-or (-r)-mur
2 人称-ris, -re-minī
3 人称-tur-ntur
  1. もう 1 つの 1 人称単数語尾 (-r) は現在直説法では用いられない.
  2. 2 人称単数では -ris も -re も両方見られる.
第 1 活用 laudō, laudāre, laudāvī, laudātus「ほめる」.現在不定詞 laudāre, 現在幹 laudā-.  laudor, laudāris/laudāre, laudātur; laudāmur, laudāminī, laudantur.

  1. 2 人称単数の形の一方は現在不定詞とつづりが同一である.
  2. 語尾 -ntur の前で幹母音は短くなる.
第 2 活用 moneō, monēre, monuī, monitus「警告する,忠告する」.現在不定詞 monēre, 現在幹 monē-.  moneor, monēris/monēre, monētur; monēmur, monēminī, monentur.

第 3 活用 ‘-ō’ 型 dūcō, dūcere, dūxī, ductus「導く」.現在不定詞 dūcere, 現在幹 dūce- > dūci-, dūcu-.  dūcor, dūceris/dūcere, dūcitur; dūcimur, dūciminī, dūcuntur.

第 3 活用 ‘-iō’ 型 capiō, capere, cēpī, captus「とる,受けとる」.現在不定詞 capere, 現在幹 cape- > capi-, capiu-.  capior, caperis/capere, capitur; capimur, capiminī, capiuntur.

注.すべての第 3 活用動詞で,2 人称単数形は本来の幹母音 (-e-) を保つ.

第 4 活用 audiō, audīre, audīvī, audītus「聞く」.現在不定詞 audīre, 現在幹 audī- (audiu-).  audior, audīris/audīre, audītur; audīmur, audīminī, audiuntur.



37. 人の行為者の奪格


奪格は人を表す名詞とともに使われ,受動態にある動詞の行為者 (doer) ないし動作主 (agent) を表す.この構文ではかならず前置詞 ā (ab, abs) が使われる.
Nostra peccāta ā Chrīstō dēlentur. 「私たちの罪はキリストによって贖われた」


38. 若干の形容詞に伴う奪格


形容詞 dīgnus, -a, -um「(の) 価値がある」,indīgnus, -a, -um「(の) 価値がない」,plēnus, -a, -um「(で) いっぱいの」は奪格を支配する.
Puer est praemiō dīgnus (indīgnus). 「その少年は報いられるに値する」 
Terra est glōriā Deī plēna. 「地は神の栄光に満ちている」


語彙 (抄)


Dīcō は間接目的語の与格か ad + 対格のどちらかをとる:dīcō populō, dīcō ad populum.  「するよう言う」の意味では与格 + 不定詞をとる:dīcit puerō operāre.  受動態では「呼ばれる」の意で,コピュラ動詞と等価で述語主格をとる:Petrus dīcitur pāpa「ペトロは教皇と呼ばれる」[同様に,efficiō は受動態ではコピュラとして働きうる:Petrus efficitur pāpa. ‘ペトロは教皇にされる = なる’].複合動詞 benedīcō, maledīcō は与格か対格をとりうる:benedīcit puerō/puerum「彼はその少年を祝福する」.

Anima の与格・奪格複数は -ābus で,これは animus の与格・奪格複数 animīs との混同を避けるためである.第 2 変化名詞と語基が同一の第 1 変化名詞はどれもこうした代替的な語尾を用いることがある.

Cārus「親愛な dear, 愛される beloved」はその意味が与格によって補われることがある:cārus erat Marīae「彼はマリアに愛されていた」.

奪格との用法に加えて,dīgnus, indīgnus, plēnus は属格をとることがある:plēna est grātiā/grātiae「彼女は気品に満ちている」.

Ūnus はときに不定冠詞 ‘a, an’ と事実上等価である.

Jēsūs の変化は独特である;この形〔Jēsūs, Jēsū, Jēsū, Jēsūm, Jēsū, 呼格 Jēsū〕は特別に記憶せねばならない.

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