mardi 21 avril 2015

Heptas Palladi comparatur

「7 はパッラスに似る (=比される)」の意.パッラス Pallas は女神アテーナーの別名で,ローマではミネルウァにあたる,言わずと知れた知恵の女神である.

マルティアヌス・カペッラによる 5 世紀前半の著作『フィロロギアとメルクリウスの結婚』第 I 巻のなかばで,メルクリウスの結婚について進言されたユピテルらが話しあう場面に現れたパッラスについての説明に,数世紀後に付された註からとったものである.カペッラのこの著作は自由学芸たる三学四科を寓意的に説明したもので,中世とくにカロリング・ルネサンス以後,最高学問たる神学の基礎をなすと考えられた七自由学科に関する文献として広くまた長く読みつがれた.


このブログについて


ブログタイトルの当初の案は,博言学 philology すなわち φίλος + λόγος 「言語への愛」のことを称する簡潔で美しい表現を探すことであった.フィロロギアといえばということで思いだしたカペッラの前掲書にそれを求め,擬人化された才女 Philologia に言及した箇所を丹念に追ったが,ピンとくるような章句は結局見つからなかった.そうするうちにノートカーによる註をも含む抄訳の存在を知り,ざっと目を通してみるなかで印象に残る文句があった.「ただ 7 のみが造ることも造られることもない」,これである.こうして「他の誰もが自分に似ることのない孤高の乙女」パッラスにヒロインの座を奪われてしまったのであった.

このブログは筆者の語学学習のメモのために開設した.英語以外の言語を含む諸外国の語学書を集めているのでそうした書籍の紹介,あるいはそれをもとにしたマイナな言語の解説など,国内に先駆者のいなさそうな情報をゆくゆくは発信していきたいが,ほかにもやることが多いのでいつになるかは不確定である.好きなことを仕事にするために,あわよくば語学の知識で身を立てることを目標とするものだが,いまのところそのための具体的な目算は立っていない.継続するうちにおぼろげにでも見えてくるとよいと願っている.


参考文献


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