田中利光『ラテン語初歩』(岩波書店、初版 1990 年、改訂版 2002 年) 第 9 課から第 12 課までの解答例 (旧版・新版両対応)。本書は親切にも出典のあるラテン文はその箇所をちゃんと明記してくれているので、ここではとくに注意する場合以外には繰りかえさない。
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IX 名詞 第二活用 (2)
§83 (旧 §80). [練習問題 15]
1. 教師は生徒たちを教えていた。
2. 生徒たちは教師の言葉を聞いていた。
3. 生徒たちは本を読んでいた。
4. 少年よ、君は誤っていたが、いまでは誤っていない。
5. 息子よ、おまえは誤っている。
旧 1. =新 1.
旧 2. =新 2.
旧 3. 生徒たちは本を読んでいる。
旧 4. 少年は少女の姿をほめる。
旧 5. =新 5.
旧 6. 戦争と男を、ウェルギリウスよ、君は歌う。
旧 7. 男たちは女たちと子どもたちを救っていた。
旧 8. 多くの奴隷たちが畑で働いていた。グラックスは不安げに (それを) 見ていた。〔anxius は「副詞的」と注があるが、中山『標準ラテン文法』の用語に従えば述語的同格。〕
旧 9. 私はウェルギリウスの本を買う。
旧 10. =新 4.
§84 (旧 §81). [練習問題 16]
1. Magistrī discipulōs docēbant.
2. Discipulī verba magistrōrum audiēbant.
3. Puer librum legit.
4. Errābātis, puerī, sed nunc nōn errātis.
5. Errābās, fīlī.
旧 1. Discipulī Vergilium Horātiumque legēbant.
旧 2. Agrum lātum possidet.
旧 3. Socer laudābat generum, sed gener culpābat socerum.
旧 4. Et discipulus [Discipulus quoque] magistrum docet.
旧 5. Cūr, fīlī, contrā injūriam nōn resistis?
X 形容詞 第一,第二活用 (2)
§90 (旧 §87). [練習問題 17]
1. 色の黒い奴隷が主人を門の近くで待っている。
2. 主人が色の黒い奴隷をほめる。
3. 主人は怠慢な奴隷たちをとがめる。
4. 美しい少年は美しい少女を愛していた。
5. 美しい少女はしばしば病気で哀れな少年を訪ねる。
旧 1. =新 1.
旧 2. =新 2.
旧 3. 怠慢な奴隷たちは働いていなかった。
旧 4. =新 4.
旧 5. 自由な男は正義を愛する。
旧 6. 自由な男たちは/男の子どもたちは正義を愛する。〔virī を複数主格ととるか、単数属格ととるか、いずれも可能。〕
旧 7. 私たちは私たちの祖国を愛し、君たちは君たちの (祖国) を愛している。
旧 8. =新 5.
旧 9. 左の道は町へ通じ、右の道は村へ (通じている)。
旧 10. 勤勉な者たちは富む。
旧 11. 平和をもたらす者たちは幸いである。〔新版では §92 [引用句 4] として掲載。ここには beātī のほうが述語だと注があるのでわかるが、どちらが主語かはこのラテン文だけでは決まらない。実際にはこれはマタイ 5,9 の引用なので、ギリシア語の原文 « μακάριοι οἱ εἰρηνοποιοί » にあたれば定冠詞のついている後者が主語であると判明する。〕
旧 12. さまよえる、いとおしき小さな魂よ。〔vagula blandula も女性単数呼格として訳した。ここだけ見れば主格として「小さな魂よ、(汝は) さまよえる、いとおしきものなり」も可能。新版では §135 [引用句 7] に登場する。〕
§91 (旧 §88). [練習問題 18]
1. Dominus servum nigrum prope portam exspectat.
2. Servī nigrī dominum laudant.
3. Servōs impigrōs dominus laudābat.
4. Pulchrae puellae amābant puerum pulchrum.
5. Pulcher puer saepe vīsitābat puellam aegram et miseram.
旧 1. Piger magister docēbat discipulī impigrī.
旧 2. Oppidum nostrum est parvum, vestrum magnum.
旧 3. Nigrī pulchrī sunt.
旧 4. Fēminās nigrās amat.
旧 5. Miserīs cibum dōnāmus.
XI 未来直説法能動相
§99 (旧 §95). [練習問題 19]
1. 彼らは黙っているが、まもなく叫ぶだろう。
2. もし彼らが不正を見るなら、黙っていないだろう。
3. 彼らは不正に対して抵抗するだろう。
4. 彼らはお金を受けとらないだろう。
5. たとえ私たちが忠告しても、彼らは聞かないだろう。
旧 1. 私たちは不正に対して抵抗しよう。
旧 2. =新 1.
旧 3. 彼らはいまは叫んでいるが、まもなく黙るだろう。
旧 4. =新 4.
旧 5. たとえ彼が聞かないとしても、私は忠告するだろう。
旧 6. もし彼が不正を見れば、黙っていないだろう。
旧 7. 少女はバラを受けとらないだろう。
旧 8. 彼らは理解しないだろう、考えないから。
旧 9. 彼は言わないだろうが書くだろう。
旧 10. 君はいまは信じていないが、信じるだろう。
旧 11. 私は高い [深い] ものを追求する。
§100 (旧 §96). [練習問題 20]
1. Tacēs sed mox clāmābis.
2. Etsī injūriam vidēbimus, tacēbimus.
3. Nōn resistēmus contrā injūriam.
4. Pecūniam capiēmus.
5. Etsī monēbitis, nōn audiēmus.
旧 1. Nōn intellegis, quod nōn audīs.
旧 2. Resistam contrā injūriam.
旧 3. Etsī lentē currētis, cadētis.
旧 4. Diū vivet, sed sapientiam nōn discet.
旧 5. Bellīs patriam perdētis.〔VI 課の和訳 6. を未来形にしたもの。〕
XII 前置詞.所格.eō
§114 (旧 §109). [練習問題 21]
1. 少年たちは道の上で少女たちと遊んでいた。
2. 長い道が町を通って森のなかへ通じている。
3. あなたはどこへ行くのか、主よ。—— ローマへ。
4. (彼らは) どこに住んでいたか。—— ローマに (住んでいた) が、いまはアテーナイに (住んでいる)。
5. 地面の下に長いあいだ蝉たちは住んでいる。
旧 1. 君はマムシを翼の下で養育している。〔この本には āla は「翼」の語義しか与えられていないが、ふつうは「腋の下で飼っている」という訳で知られている。敵が身内にいるということの比喩。ペトローニウス『サテュリコン』77 章。〕
旧 2. =新 3.
旧 3. 君たちはどこに住んでいたか。—— ローマに (住んでいた) が、いまはアテーナイに (住んでいる)。
旧 4. ローマ人たちは捕虜たちをくびきの下に送っていた。
旧 5. =新 1.
旧 6. なんと速いことか、この世の名声が移り変わるのは。
旧 7. (両) 翼の影の下に神は女たちと少年たちを保護している。
旧 8. =新 2.
旧 9. 君たちは祖国のために悪い者たちと戦っているのではないのか。
旧 10. 曇り空のあとに歓呼が (ある・続く)。
§115 (旧 §110). [練習問題 22]
1. Puer in viā cum puellā lūdit.
2. Multae viae dūcunt per oppida in silvam.
3. Quō vādunt? — Rōmā per Tarentum Brundisium.
4. Ubi habitās? — Tarentī.
5. Formīca quoque sub terrā habitant.
旧 1. Nōnne vīvitis contrā nātūram?
旧 2. =新 3.
旧 3. Trans Rhēnum habitant Germānī.
旧 4. Sub terrā diū habitant cicādae.〔=新版の和訳の 5.〕
旧 5. Nōnne mox perībimus?
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