田中利光『ラテン語初歩』(岩波書店、初版 1990 年、改訂版 2002 年) 第 17 課から第 20 課までの解答例 (旧版・新版両対応)。毎日 8 課ずつ、あんまり速いペースで記事を量産するものだからこの欄に書くことがない。
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XVII 過去完了および未来完了直説法能動相
§159 (旧 §150). [練習問題 31]
1. ローマ人たちが離れてしまったときには、ガリア人たちは反乱を起こすだろう。
2. カエサルが到着するときには、ガリア人たちは森のなかへ逃げてしまっているだろう。
3. ローマ人たちは森のなかで長いあいださまよっていた;ついに敵の陣営を発見した。
4. 多くの戦闘をセークァニー族は行い、多くのハエドゥイー族を殺してしまっていた。
5. 私は少女に危険について警告しておいた (のだが)。
旧 1. 私は少年たちに危険について警告しておいた (のだが)。
旧 2. 先生は生徒たちにギリシア語を教えておいた。
旧 3. =新 1.
旧 4. =新 2.
旧 5. =新 3.
旧 6. =新 4.
旧 7. 少女は長い手紙を書き終えていた。
旧 8. 私は家へ急行した;そのとき私に大火事のことをある人が知らせた。
旧 9. もし本を読み終えたら、外に行こう。
旧 10. 栄光を退けたなら、君は本当の (栄光) を得るだろう。
§160 (旧 §151). [練習問題 32]
1. Ubi Caesar abierit, Gallī rebellābunt.
2. Quandō adveniētis, hostēs castra constrūxerint.
3. Diū in silvā peragrāverāmus; tandem castra hostium invēnimus.
4. Proelia multa gesserāmus et hostēs multōs interfēcerāmus.
5. Puellās dē perīculīs monueram.
旧 1. Puellās dē perīculīs monuerāmus.
旧 2. =新 1.
旧 3. =新 2.
旧 4. Linguam Graecam nōn didiceram, sed tum studiōsē discēbam.
旧 5. Quandō Rōmam advēnit, epistulam longam scrīpserat.〔この本には聖書の引用がちょくちょくあるので、パウロ書簡のいずれかをほのめかしているかもしれない。長い手紙を書いてローマに行きそうな人といえば私にとってまっさきに思い浮かぶのがパウロだ。もちろん生粋のラテン作家でも構わない。〕
XVIII 名詞 第三活用 (2) ——黙音幹名詞
§168 (旧 §159). [練習問題 33]
1. ギリシア人たちは奴隷状態を忌み嫌い、自由を愛していた。
2. ギリシア人たちはあたかも王を尊ぶように法を (尊んでいた)。
3. 多くの人々がローマの平和を忌み嫌った。
4. 戦争のあいだに法は沈黙する。
5. 青春をきわめて多くの人々は楽しいと考え、老年を厭わしい (と考えている)。
旧 1. 名声は徳の影 (である)。
旧 2. =新 1.
旧 3. 民の声は神の声 (である)。
旧 4. 黄金の中庸。〔新版では §170 [引用句 10]。そこで説明されているように、この文だけなら述語的にも解せる。〕
旧 5. 私は鳥たちの声を非常に朝早くに聞いた。
旧 6. 剣が私たちの首の上にぶら下がっている。〔ダモクレスの剣へのほのめかし?〕
旧 7. 彼らは庶民ではなく貴族のために戦っている。
旧 8. =新 5.
旧 9. =新 2.
旧 10. 君は (欲望を) 制御しているか、それとも欲望に隷従しているか。〔servīs は serviō の現 2 単。servus の複数与・奪格ではない。〕
旧 11. =新 4.
旧 12. 法の最良の通訳者 (=解釈者) は慣習 (である)。
旧 13. 滴は石を穿つ。
§169 (旧 §160). [練習問題 34]
1. Graecī servitūtem reformīdant, amant lībertātem.
2. Graecī lēgēs tamquam rēgem colent.
3. Reformīdāmus pācem Rōmānam.
4. Inter arma silet lēx.
5. Juventūtem jūcundam, senectūtem molestam nōn putō.
旧 1. Putāsne vōx populī vōx deī?
旧 2. Malī vitium amant, bonī virtūtem.
旧 3. Multī reformīdābant pācem Rōmānam.
旧 4. Pugnāmus prō pāce et lēge.
旧 5. Rārī [Paucī] sunt bonī interpretēs.
XIX 名詞 第三活用 (3) ——混合幹名詞
§175 (旧 §165). [練習問題 35]
1. ガリア全体は 3 つの部分を持っている。
2. 山々には多くの鳥たちが住んでいる。
3. 私たちは都市に住むことを欲しない。
4. 私の (恋人の) 少女は雪のように白い歯を持っている。
5. 技術は隠されているならば役に立つ。
旧 1. ギリシアの諸都市の多くの植民地はイタリアとシキリアにあった。
旧 2. カエサルはガリア全体を 3 つの部分に分ける。
旧 3. 実際にすべての民族のすべての市民が自由で平等なのだろうか。
旧 4. 戦争の技術においてローマ人たちはすべての民族に勝っていた。
旧 5. メネラーオス王の妻ヘレネーはギリシア人たちとトロイア人たちのあいだの大きな争いの原因となった。
旧 6. ハンニバルは自らに死を引き受けた (=自死した)。
旧 7. =新 4.
旧 8. 毎夜彼らは互いに戦っていた、なぜなら月が明るかったから。
旧 9. =新 2.
旧 10. 技術を隠すことが技術である。
旧 11. =新 5.
§176 (旧 §166). [練習問題 36]
1. Animus tōtus habet partēs trēs.
2. In monte habitat avis.
3. Nōn cupimus habitāre in urbibus.
4. Pulchram habet mea puella frontem.
5. Sī ars nōn latet, nōn prōdest. (Et lacrimae prōsunt.)〔どうもこの問題の和文は意訳すぎる。改訂版はしがきにあるように、和訳の同じ番号と対応して 9 割がた答えになっているという原則からこう判断したが、このようにうますぎる日本語では狙いにそぐわないだろう。以降、ときどきこういうことがある。〕
旧 1. =新 3.〔単数の形は新版の和訳の 3.〕
旧 2. Multās artēs invēnērunt.
旧 3. Causa multārum lītium est fēmina [sunt fēminae].
旧 4. Omnēs gentēs cupiunt pācem.
旧 5. Animus habet partēs trēs.
XX 現在,未完了過去および未来の直説法受動相.不定詞 (現在受動相)
§183 (旧 §173). [練習問題 37]
1. 門が開けられていた。
2. 門が開けられる。
3. 門が開けられるだろう。
4. 生徒たちは学校で教師から教えられる。
5. たとえ生徒たちが学ばなくても、教師は生徒たちから教えられるだろう。
旧 1. 強い男たちでさえ突然の危険には恐れさせられる。
旧 2. 君は悪人たちからほめられる;善人たちからはとがめられる。〔たぶん「君」というより不定の 2 人称で、「悪人は甘い言葉で騙すもの、厳しいことを言うのが善人だ」という主張としても読めるのではないか。〕
旧 3. 私たちは名声への欲求によって動かされ、栄誉によって導かれる。
旧 4. (彼らは) 川を渡ることを命令されていた。
旧 5. =新 4.
旧 6. 昨日都市の門は敵たちによって開けられていた。
旧 7. 町の門が開けられる。なぜなら私たちの (軍) が帰ってくるだろうから。
旧 8. =新 5.〔旧版のみ Etsī の i にマクロンがついていない誤植。〕
旧 9. 奴隷は主人に鞭打たれるだろう。
旧 10. 君たちは神から愛されているが、君たちは (神を) 愛していない。
旧 11. 反対物は反対物によって癒やされる。
旧 12. 敵からも教わるべきである。〔新版では §185 [引用句 11]。〕
§184 (旧 §174). [練習問題 38]
1. Portam aperiēbant.
2. Portam aperiunt.
3. Portam aperient.
4. In lūdō discipulī ā magistrīs nōn docēbuntur.
5. Magister ab discipulīs docentur.
旧 1. Laudantur ā malīs; culpantur ā bonīs.
旧 2. =新 5.
旧 3. Servī ab dominō saepe verberābantur.
旧 4. Porta aperītur.
旧 5. Trahuntur studiō fāmae.
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