mardi 6 octobre 2020

田中『ラテン語初歩』練習問題解答 (1)

田中利光『ラテン語初歩』(岩波書店、初版 1990 年、改訂版 2002 年) の練習問題の解答例。この本の改訂版では旧版にあった問題等がかなり削られ、あるいは差しかえられているようだが、ここでは両方の問題に対応するようにする。いま多くの人が使っているのは新版のほうだろうから、章や問題の番号はそちらを基準にするのが便利だろう (もっとも最初のうちはズレはない)。初回は第 1 課から第 4 課。

この本の練習問題は、とくに改訂版では羅文和訳と和文羅訳が相互にかなり対応するようになっているので、あえて解答を作る必要がどれほどあるかは疑念が残るが、旧版ではその対応の度合も低く、かつ和訳の問題数が羅訳の 2 倍強あるため、先へ進むほどやりがいのあるものになることを期待している。

〔2021 年 12 月 14 日追記〕同じ著者による古典ギリシア語の入門書『新ギリシャ語入門』(大修館書店、1994 年) の解答例を作成している:第 1 回はこちら。ラテン語とあわせて古典研究の両輪たる言語を学ぶ人の助けになれば幸いである。

それにしても「名詞活用」というこの本のおかしな用語法には面食らう。「活用」とは動詞が人称や時制などに従って語形変化することだけを言い、名詞や形容詞などが性・数・格に従って変化するのは「曲用」である。語弊のある言いかただが総称として「変化」と言ってもかまわない。しかし活用と呼ぶのだけはありえないのである。



I 文字と発音


§9. [練習問題 1]


改訂版には解答があるので省略。


II 音節とアクセント


§17. [練習問題 2]


同上。


III 動詞活用 現在直説法能動相 第一,第二活用


§30. [練習問題 3]


1. 君は罪を犯している。

2. 私は罪を犯していない。

3. 君は見ているか。

4. 私は見ている。

5. 息をしているかぎり、私は希望を持つ (=持ちつづける)。

旧 1. 君は誤っている。

旧 2. 私は誤っていない。

旧 3. 君たちはなぜ笑っているのか。

旧 4. 君たちは何を見ているのか。

旧 5. 私たちは何も見ていない。

旧 6. 君たちは黙って、笑っている。

旧 7. 彼らは誤っているが笑っている。

旧 8. 私たちは誤ってもいないし罪を犯してもいない。

旧 9. 私たちは考えているか働いている。

旧 10. (彼は) いつも静かに笑っている。

旧 11. =新 5.

§31. [練習問題 4]


1. Peccātis.

2. Nōn peccāmus.

3. Vidētis?

4. Vidēmus.

5. Dum spīrāmus, spērāmus.

旧 1. Errātis.

旧 2. Nōn errāmus.

旧 3. Quid spectās?

旧 4. Nihil spectō.

旧 5. =新 5.


IV 名詞活用 第一活用


§41. [練習問題 5]


1. 少女は立って笑っている。

2. 私は (その) 少女を愛している。

3. 私は少女にバラを与える。

4. 私は少女の姿をほめる。

5. 私は少女といっしょに歩く。

旧 1. 月が輝いている。

旧 2. 星々が輝いている。

旧 3. =新 2.

旧 4. 私は少女たちにバラを与える。

旧 5. 少女はバラでテーブルを飾る。

旧 6. 少女は少女といっしょに優雅に踊る。

旧 7. 少女たちはディアーナ (女神) にバラの花輪を捧げる。

旧 8. 森には獣たちが住んでいる。

旧 9. 私たちは祖国を愛している。

旧 10. 知恵と思慮分別の女神を (彼らは) 崇拝しない。

旧 11. バラを私は愛している。

§42. [練習問題 6]


1. Puellae stant et rīdent.

2. Puellās amant.

3. Puellīs rosās dōnant.

4. Fōrmās [Fōrmam] puellārum laudant.

5. Cum puellīs ambulant.

旧 1. Lūnam et stēllās adōrātis.

旧 2. In silvā cum bēstiīs habitat.

旧 3. Sapientiam bēstiārum laudāmus.

旧 4. Puellae rosam dōnat.

旧 5. Puellae rosīs mensās ōrnant.〔この本は ns, nf の前の母音にマクロンを付さない流儀のようなので、それに従う。〕

samedi 3 octobre 2020

中山『標準ラテン文法』練習問題解答 (10)

中山恒夫『標準ラテン文法』(白水社、1987 年) 第 19 課の解答例。今回でとうとう最終回となった。例によって同じ著者による解答つきの『ラテン語練習問題集』(白水社、1995 年、新装版 2009 年) と共通する文 (最後なので 2 ヶ所しかなかった:これは本書のほうが『問題集』より高度なため) や、さらに大元のラテン語著作の出典が発見できた場合には対応づけている。

目次リンク:第 1 課・第 2 課第 3 課・第 4 課第 5 課・第 6 課第 7 課・第 8 課第 9 課・第 10 課第 11 課・第 12 課第 13 課・第 14 課第 15 課・第 16 課第 17 課・第 18 課・第 19 課。


第 19 課


和訳


1. カエサルは敵たちに、彼らのもとへ逃げこんだとして奴隷たちを要求した。〔接続法過去完了 perfūgissent は部分的間接話法 (§79 [5]) で、著者の意見ではなく文の主語カエサルの主張であることを示している……といってもこれはカエサルがカエサルの言行を 3 人称で語っている本なので結局カエサルの意見なのだが (ややこしい)。原典は『ガリア戦記』I 巻 27 章 3 節改変。〕

2. ある人々にとって驚嘆すべきと思われることを、まったく無価値と思う人々があまりに多くいる。〔不定の主語の存在を言う接続法 (§79 [2] b.)。原典はキケロー『友情について』86 章。〕

3. 免れることを欲しない者が誰もいないほどの、ある種の悪いことがある。〔同上。原典はキケロー『弁論家について』III 巻 (11 章) 通番 41 節。〕

4. 私は受けた親切を忘れるような人間ではない。〔結果の quī (§79 [2] a.)。〕

5. なぜ君は私たちに怒っているのか、(私たち) から多くの親切を受けたというのに。〔譲歩の quī (§79 [4])。〕

6. 私たちは私たち自身のためには決してしなかったような多くのことを友人たちのためにはする。〔結果の quī。causā, grātiā にかかる語 (後置詞と考えるなら属格目的語) は人称代名詞の場合には所有形容詞を使うので女性単数奪格 nostrā (§64 C. [8])。〕

7. 元老院議員たちは、ハンニバルが生きていれば決して自分たちは陰謀なしに (=を受けずに) いないだろうと考えていたので、使節たちをビーテューニアに送った、ハンニバルを自分たちに引き渡すようプルーシアース王に頼むために。〔前者は理由の quī、後者は目的の quī。Hannibale vīvō は絶対奪格。futūrōs は esse 省略の不定法未来。出典はネポース『英雄伝』中の「ハンニバル伝」12 章 2 節改変。〕

8. 敵たちは投槍がそこまで届くところ以上に遠く (=届かないほど遠く) 離れてはいなかった。〔『練習問題集』XXIX 2. 12) と同文。〕

9. ルーキウス・ロースキウスをポンペイウスはふさわしいと考えていた、任務をもってカエサルのもとへ送り出すためには。〔目的の quī。〕

10. その人たちによって死なれるべきところの人たち (=死すべき人たち) だけが哀れであると言うとすれば、生きている人のうちの誰をも除外しないことになるだろう。〔moriendum は動形容詞で、関係代名詞 quibus はその行為者の与格。出典はキケロー『トゥスクルム論叢』I 巻 (5 章) 通番 9 節一部省略。〕

11. アリオウィストゥスは要求した、なんらの歩兵をも会談にカエサルが連れてこないようにと;両者とも騎兵を伴って来るようにと;ほかの仕方では自分は来るつもりがないと (言った)。〔nē の後で quem は aliquem の代わり。最後の不定法は直接話法で平叙文であることを示す。練 XXX 2. 1) と同文。出典は『ガリア戦記』I 巻 42 章 4 節一部省略。〕

12. アリオウィストゥスはカエサルに答えた:(以下のことが) 戦争の慣習である、勝った者がその勝った相手に対し欲するままに命令することが。〔出典は『ガリア戦記』I 巻 36 章 1 節改変。〕

13. ソークラテースの弟子たちは、先生が強情さを捨てるだろうと信じていた。〔不定法未来の書きかえ (§80 [3])。〕

14. ファブリキウスは、ピュルロス (王) の医者が自分は毒を王に与えるつもりだと約束すると、陰謀に気をつけるようにとピュルロスに忠告した。〔medicō ... prōmittente ... は絶対奪格。出典はセネカ『ルキリウスへの手紙 (倫理書簡集)』第 120 書簡 6 節改変。〕

15. もし君が質問されれば君は何を答えるであろうかと私は君に尋ねる。

16. もし君がそれをしてしまっていたら君は後悔していたであろうことを私は疑わない。

17. 友人は私に (手紙で) 書いてきた、もし (彼が) 病気でなかったならば、自分は手紙を私に書いていただろうし、自分の妹が自分の友人に嫁いだことを私に知らせていただろうと。〔過去の非現実条件文。(帰結文の後半は同様のため省略して) 直接話法に戻せば Scrīpsit : « Nisi aegrōtus fuissem, epistulam ad tē scrīpsissem. » で、言説動詞が完了のため副文は接続法副時称 (そのまま)、主文では未来分詞 + fuisse になったもの (§82 [1] c.)。〕

18. 父は私たちに言った、私たちはもし満足しているならば幸福な人生を生きるだろうと。〔現在の可能的条件文。直接話法に戻せば Dīxit : « (Vōs,) sī contentī sītis, beātam vītam vīvātis. » の接続法現在が、言説動詞が完了のため副文では時称対応で接続法未完了に、主文では不定法未来になったもの (§82 [1] b.)。〕

19. 先生は生徒たちに言った、もし仮に (彼らが) 勤勉であれば、自分 (=先生) によって美しい本が与えられるだろうにと。〔現在の非現実条件文を間接話法にしたもので、受動態のため futūrum fuisse ut + 接続法未完了 (§82 [1] c.)。〕

20. もし (彼が) 病気でなかったならば、もうとっくに手紙を私に書いていただろうことは疑いない。〔過去の非現実の能動が未来分詞 + fuerim になったもの (§82 [2])。〕

作文


1. Nātūra hominibus tālem animum dedit, quō animō omnēs virtūtēs accipere possint.

2. Ubiī ad Caesarem mīsērunt lēgātōs, quī ab eō auxilium peterent.

3. Rūsticī lupum, quī vīcum intrāvisset, quaerēbant.〔部分的間接話法の接続法。〕

4. Dīxit, sī potuisset, sē ad urbem itūrum fuisse.

5. Dīxit, quī vītam contemnere scīret, eum mortem nōn timēre.


各回 2 課ずつ、ほぼ毎日のペースで続けてきたこの連載もこれにて無事に完結となった。10 日まえにこの本を始めたとき、このような答えのない教科書に指導者もなしに取り組むことは、まさに蛮勇を振るうという表現がふさわしく、最悪途中でやめてもいいつもりで挑戦に乗りだしたものだが、進めてみると意外にもあっという間に終わってしまった。楽だったのはもちろん直前に『練習問題集』をあげていたおかげであり、いわばその余勢を駆って本書に突撃したしだいだった。

これまでの課も含め、素人仕事でおそらくラテン語作文にはだいぶ頓珍漢なことを書いてしまったであろうことを恐れるが、和訳のほうについてはほぼすべて (とくに亀甲括弧〔……〕で解説らしきものをつけた内容を含め) 理解に自信をもって解答を与えてきたつもりである。とはいえどれほど本当に成功しているかは専門家ならぬ私には適切な判断をなしえない。本書第 18 課の解説のなかに出会う次の引用文は、私の拙い試みの自己弁護のためには高級すぎるであろうか:

Ut dēsint vīrēs, tamen est laudanda voluntās.
力は欠けるとしても、それでも意欲はほめられるべきだ。
(オウィディウス『黒海からの手紙』III 巻第 4 書簡 79 行)

vendredi 2 octobre 2020

中山『標準ラテン文法』練習問題解答 (9)

中山恒夫『標準ラテン文法』(白水社、1987 年) 第 17 課と第 18 課の解答例。同じ著者による解答つきの『ラテン語練習問題集』(白水社、1995 年、新装版 2009 年) と共通する文が見つかる場合にはその箇所を追記している。『ガリア戦記』などの原典についてもしかり。また、この教科書は後半になるほど、ローマの歴史 (ときにギリシアの歴史や神話) について知っておかなければ正しく理解することが難しい文も現れるようになる。十全には程遠いまでも、そういうところにはなるべく解説めいたことを補記するように努めた。

目次リンク:第 1 課・第 2 課第 3 課・第 4 課第 5 課・第 6 課第 7 課・第 8 課第 9 課・第 10 課第 11 課・第 12 課第 13 課・第 14 課第 15 課・第 16 課・第 17 課・第 18 課・第 19 課


第 17 課


和訳


1. 春が近づくと、ハンニバルは軍勢を冬営陣から引き出した。〔『練習問題集』22 課 5 節 1) の例文、および練 XXII 5. 例と同文。時の cum。〕

2. すでに春が近づいていた [近づきつつあった] ときに、ハンニバルは冬営陣から出発した。〔練 27 課 5 節 2) の例文と同文。倒逆の cum。〕

3. より低い官職に就くまえには誰も法務官や執政官とされなかった [にならなかった]。

4. 父が帰ってくるまで私は家にとどまっていた。〔練 XXVII 6. 8) と同文。〕

5. ローマ人たちの軍勢は仲間たちが救援に駆けつけるまで敵たちの攻撃に耐えた。〔練 XXVII 6. 7) と同文。〕

6. 何人かのトロイア人たちは、ギリシア人たちが勝利したあと、破壊された町から移住した。〔練 XXIII 2. 4) にやや類似。〕

7. 君が何も言わないのは、これらが真実であると認めていること (と同じ) だ。〔説明の cum。〕

8. 君が幸福でいるかぎり、多くの人たちが君にとって友人でありつづけるだろう。〔原典はオウィディウス『悲しみの歌』I 巻第 9 歌 5 行改変。「雲行きが悪くなったときには君は孤独になるだろう」と続く。詩人が追放先の僻地から歌ったもの。〕

9. よりよい新しいものを用意してしまうまで古いものを壊すな。〔habeās と完了受動分詞 parāta については §48 A. [2] c.〕

10. 逃げる最良の機会が彼に与えられたとき、そのときでさえソークラテースは牢から脱出しなかった。〔fugiendī は動名詞の属格。nē ... quidem「〜さえない」。〕

11. オルペウスが歌うたびに、木や岩 (までも) が近づいてきた。〔反復の cum。「伝説によれば,オルペウスは素晴らしい音楽家だったので,彼が歌い竪琴をかなでると……木や石ですら,彼の音楽を聞きにやって来たと考えられている」(グラント/ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』邦訳 188 頁)。〕

12. 私たちが散歩しているとき、私たちのあいだで (=互いに) 相談していた。〔倒逆の cum。〕

13. 愚かな者たちは過ちを避けようとするあいだに反対の (過ち) に走るものだ。〔原典はホラーティウス『風刺詩』I 巻第 2 歌 24 行。〕

14. ポンペイウスは、(彼が) もっとも信頼しているところの軍の一部分が恐れおののいているのを見るや否や、戦列を離れて陣営へ行った。〔ut 文の動詞 vīdit が直説法完了であることに注意して「〜するや否や」ととる。受動分詞 perterritam は esse の省略された不定法受動態完了 (cf. 松平・国原『新ラテン文法』§504)。sē(que) contulit < sē cōnferre「行く」。〕

15. 都市の市民たちの風紀は、とくに贅沢な生活が彼らによって好まれるゆえに、しばしば堕落している。〔dīligātur は接続法受動態現在、したがって主文の corruptī sunt も受動態完了というよりは形容詞として現在の文ととるほうがよいだろう。〕

16. ローマ人は戦争の準備ができていなかったのに対して、マケドニア人の王ペルセウスは完全に準備ができていた。〔練 27 課 5 節 1) の例文と同文。対照の cum。〕

17. ソークラテースは容易に牢から引き出されることができたけれども欲しなかった。〔譲歩の cum。〕

18. 私たちが生きることは不死なる神々の贈り物であり、よく生きることは哲学者の (贈り物である)。

19. ソークラテースは死刑にされた、(彼が) なんらの罪を犯したためでもなく、権力をもっている者たちの気に入らなかったがために。

20. 君を信用しない理由はない。

21. マンリウスは自分の命令に従わなかったという理由で息子が殺されるよう命じた。〔前 4 世紀の軍人ティトゥス・マンリウス・インペリオースス・トルクァートゥスのこと。この文だけ読むととんでもない暴君のようだが事情があって、功に逸って命令を無視し勝手な一騎打ちを行った息子を軍規に従い処刑したという話。同様の経緯で息子を処刑した前 5 世紀の軍人アウルス・ポストゥミウス・トゥベルトゥスと並んで、ローマ軍が苛烈なまでに厳格に軍規を重んじたエピソードとして挙げられる。本村『教養としての「ローマ史」の読み方』96–97 頁。〕

22. 都合よく使節たちが来るということが起こった。

23. 貴族たちがカティリーナを恐れたということが、新人であるキケローが執政官に選ばれた事実によって証明される。〔事実 (説明) の quod で、その先行詞 eō は受動態 dēmōnstrātur の手段の奪格。対格不定法の optimātēs と Catilīnam どちらが不定法句の主語であるかは文脈から決定されるしかない。〕

24. 水を (ローマの) 町に導いて国家によく配慮した (=国家の利益となった) ことで、アッピウス・クラウディウスに名声と栄誉が与えられた。〔ローマ最古の水道であるアッピア水道のこと。このあたりの事情については最近の本だとマティザック『古代ローマ旅行ガイド』がおもしろい (水道については邦訳 33 頁以降)。〕

25. 君が無事で戻ったことで、私は君にお祝いを言う。〔説明または理由の quod。salvus は隠れた主語 tū の述語的同格。〕

作文


1. Cum soror (ad)vēnit, librum lēctūrus eram.

2. (Is) vulnerātus est, cum pūgnāret.

3. Ubi (prīmum) epistulam amīcī lēgī, (is) ipse vēnit.

4. Errās in eō, quod mē tibi invidēre putās.

5. Gaudeō, quod valēs.


第 18 課


和訳


1. 私たちはしばしば欲しないことを行うことを強いられる;しかしもしすべての人間たちが、欲するところのことをなんであれ行ったならば、人間という種族は短い時間で絶滅させられてしまうだろう。〔現在の非現実条件文。〕

2. もし君たちが満足しているならば、幸福な人生を生きるだろう。〔現在の可能的条件文。同族対格 (§63 [4] a.)。〕

3. すべての人たちが騒ぐとしても、私は考えているところのことを言うだろう。〔dīcam は直説法未来。〕

4. キケローがカティリーナの陰謀を暴かなかったならば、国はほとんど滅びていただろう。〔非現実条件文だが paene のため periit が直説法完了となっている (§74 [4] a.)。『練習問題集』XXIV 3. 12) に類似。〕

5. (彼は) もし何かを持っていたならば与えねばならなかっただろう。〔非現実条件文だが「ねばならぬ」なので直説法 (§74 [4] b.)。〕

6. もし私が病気でなかったならば、君に手紙を書いただろう。〔過去の非現実条件文。〕

7. たとえ君が豊かであっても、ほかの貧しい人よりも豊かではないだろう、この後者が自分の境遇に満足していさえすれば。

8. すべての苦労が空しかったとしても、落胆しないようにしよう。〔もちろん日本語として自然な「すべてが徒労だった」にしてよいが、主語が「すべて (のこと)」という中性複数主格 omnia ではなく男性複数で labōrēs にかかっていることは見逃さずにおこう。〕

9. ローマ人たちはたとえフォルトゥーナから見捨てられたとしても、それでもすべての希望を武勇にかけていた (ものだった)。〔事実の条件文。〕

10. キケローは、ほかのことを私は言わないとしても、もっとも有名な演説家だった (ことは確かだ)。

11. 幸運にというよりも勇敢に彼らは戦った。

12. 彼はあたかも自分自身が参加していたかのように自慢する。

13. カエサルはできるかぎりの強行軍で外ガリアに急行した。〔練 XX 6. 5) と同文。magnum iter「強行軍」の最上級と quam「できるだけ」。原典は『ガリア戦記』I 巻 7 章 1 節改変。〕

14. 富が大きければ大きいほど、ときに貪欲も大きい。〔練 XXV 6. 3) とほぼ同文。〕

15. ウェルギリウスは自分の詩をホメーロスと似たような方法で構成した。

16. ガリア人たちはローマ人たちを道中で襲い荷物を奪った;このことをカエサルが見てとると、敵たちに向かって転進することを命じた。〔adortī は形式所相動詞 adorior「襲いかかる」の完了受動分詞だが意味は能動 (樋口・藤井『詳解ラテン文法』§69 (3))、これが Gallī に対し接合分詞の関係にある。前文を受ける quod、歴史的 cum。〕

17. もっとも甚大に破損した船の素材を、カエサルは残りの (船) を修理するために使った。〔練 28 課 2 節 5) の例文とほぼ同文。先行詞 nāvēs が関係文に取りこまれているもの (§78 [5])。materiā は ūtor の奪格目的語。なお単語集で afflīgō の目的分詞が -flīctum となっているが、そちらのほうが間違いで、マクロンのない問題文の afflictae が正しい。原典は『ガリア戦記』IV 巻 31 章 2 節一部省略。〕

18. カエサルは彼が持っていたもっとも強固な軍勢とともに来た。〔最上級が関係文のなかに取りこまれたもの。〕

19. そしてそれらのことが成しとげられるとカエサルは真夜中に出発して朝に敵たちの陣営にたどりついた。〔関係文の独立用法。profectus は Caesar に同格の接合分詞。原典は『ガリア戦記』VII 巻 18 章 2 節改変。〕

20. ポンペイウスは、ローマの支配の光であったが、醜く死んだ。〔(グナエウス・) ポンペイウスが生きたのは共和政の末期なので、imperium Rōmānum を「ローマ帝国」としてはいけない。〕

21. 私が (いま) それであるところの者であるのは神の恩寵によっている。

22. カエサルはゲルマーニア人たちが陣取っていたところのその場所の向こうに陣営が築かれることを命じた。〔練 XXVIII 2. 3) と同文。〕

作文


1. Quamquam tē interrogāvī, tamen tacēs.〔練 XI 3. 3) に類似。〕

2. Nisi aegrōtus fuissem, iam prīdem (epistulam) ad tē scrīpsissem.

3. Saepe aliter agere cōgimur atque in animō habuimus.

4. Quam celerrimē ad tē veniam.〔練 XX 6. 2) と同文。〕

5. Lēx, quō brevior est, eō melior est.〔練 XXV 6. 2) と同文。〕