dimanche 9 janvier 2022

田中・松平『ギリシア語入門』練習問題解答 (7)

田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語入門』(岩波書店、新装版 2012 年) の練習問題の解答例。このページでは第 25 課から第 28 課までを扱う。



XXV 直説法受動相.動詞の主要部分


§248. 練習問題 46


1. 私たちは入浴を命じられた。

2. もし子どもが (自分で) 入浴しないとすれば、私によって洗われるだろう。

3. 夜明けまで戸は閉じられているだろう;なぜなら近くに敵たちがいるから。

4. 夕方に家の戸が何者かに叩かれた。

5. テミストクレースは子どもだったとき (よく) 教師に驚嘆されていたものだった。

6. 敗戦のあと祖国の法律は三十人会によって廃止された。〔XIV 課和訳 9. において解説したとおり、ペロポネソス戦争でアテナイが敗北したこと。〕

7. 昔の人々のところでは (=頃には) 人間が神々にときどき犠牲として捧げられていた。

8. その将軍は顔へ弓で射られて戦死した。

9. その詩人はもっともよく哲学へと教育されてある。

10. 君によって手紙は書かれてあるか。——見よ、それを私はすでに書いてある。

§249. 練習問題 47


1. ἡ τῆς οἰκίᾱς θύρᾱ ἐκλείσθη ὑπὸ τοῦ δούλου.

2. οἱ μαθηταὶ εἰς τὴν ἀγορᾱ̀ν ἀχθήσονται ὑπὸ τοῦ διδασκάλου.

3. ὅτε παῖς ἦν, ἐλουόμην ὑπὸ τοῦ δούλου τούτου.

4. ὑπὸ τοῦ στρατηγοῦ ἐκελεύσθησαν εὐθὺς διώκειν [διῶξαι] τοὺς πολεμίους.

5. ἆρα λέλῠται ἤδη ἡ ἐπιστολὴ τῇ ποιητῇ ;〔λῡ́ω の語幹母音は完了時制 λέλῠκα では短くなることを忘れずに。〕


XXVI 第三変化の名詞 (1) —唇音幹 (π, β, φ) および喉音幹 (κ, γ, χ) の名詞


§255. 練習問題 48


1. 馬たちは鞭で駆られる。

2. オリーブ油は人間の髪にとって有用だ。

3. 私は追従者たちを避ける;彼らはだますから。

4. トラキア人たちは野蛮で好戦的だった。

5. クセルクセースは鞭で海を懲らすことを命じていた。〔第二次ペルシア戦争のおり (前 480 年か、その 1, 2 年まえ?)、行軍のためヘレスポントス (ダーダネルス) 海峡に架けた橋が嵐でめちゃめちゃになったさいにそうしたという。「ところが架橋が終り通路が出来上った直後、猛烈な嵐が起って完成したばかりの橋をことごとく破壊しバラバラにしてしまった。その知らせをうけたクセルクセスは、ヘレスポントスに対して大いに怒り、家臣に命じて海に三百の鞭打の刑を加え……」(松平千秋訳、ヘロドトス『歴史』第 7 巻 34–35 章)。なおこの問題文では μάστῑξιν の ι にあるべきマクロンが落ちている、本書では珍しい誤字。〕

6. ホメーロスはパイアークス人たちとエチオピア人たちの幸福を褒めている。

7. 山羊たちは岩のうえで走っている。

8. 将軍は主力軍を支配している;そして主力軍は将軍に従っている。

9. 伝令の言葉は恐ろしい。

10. キュクロープスたちの島には多くの山羊や羊がいた。

§256. 練習問題 49


1. ὁ διδάσκαλος μάστῑγι κολάζει τοὺς πονηροὺς μαθητᾱ́ς.

2. ὁ παῖς ἔπεσεν εἰς τὴν διώρυχα.

3. οἱ δίκαιοι οὐ πιστεύουσι τοῖς κόλαξιν.

4. ἐν τῇ τῶν Φαιᾱ́κων νήσῳ παρθένοι καλαὶ ἦσαν πολλαί.

5. ὁ νεᾱνίᾱς φυλάττει αἶγας καὶ πρόβατα ἀπὸ κλωπῶν.


XXVII 能相欠如動詞.約音動詞 (1) — άω に終る動詞の直説法の変化


§268. 練習問題 50


1. 今日私はあなたがたを饗応する。

2. 父祖伝来の法をいまだに今日でもラケダイモーン人たちは利用している。

3. 私たちはその男になぜ私たちとつきあいたいのか尋ねる。

4. 市民たちはその立法家を徳と知恵のゆえに著しく尊敬していた。

5. 市民たちはあなたを敗戦のゆえに責めている、将軍よ。敗戦のゆえにあなたは非難を得ている (=責められている)。

6. 私はあなたがたにとっても私たちにとっても最良のことを忠告するよう試みるだろう。

7. 兄が死んだとき、その少女は父から継いだ財産をもっていた。〔παρθένος は本書では「処女,娘」と語釈されているが、これは「未婚女性、年少の女」ということであって、血縁関係としての「娘」という意味はない。だからこの「兄」が話し手の兄で「娘」は姪だという解釈は無理である。「兄」はたぶん少女の兄で、両親もすでに亡く兄妹間の相続ということだろう。〕

8. 私たちは祭りを見て、家へと町へ行く (=町にある家へ帰る) ところだった。

9. 彼らは敵たちの徳 (=武勇) によってではなく、奸計によって勝たれた (=敗れた)。

10. アテーナイ人たちのところではヘーラクレースは神のように尊敬されてあった。

§269. 練習問題 51


1. ἑστιᾱθήσεσθε ὑπὸ τῶν πολῑτῶν.

2. ᾐτιᾱ́σαντο τῆς ἥττης τὸν στρατηγόν.

3. οἱ Ἀθηναῖοι ἐνῑκήθησαν ὑπὸ τῶν Λακεδαιμονίων.

4. ἐπειρᾶτο τοὺς πολῑ́τᾱς πείθειν [πεῖσαι].

5. τήμερον θεᾱσόμεθα τὴν ἑορτὴν τῶν Ἀθηναίων.


XXVIII 第三変化の名詞 (2) —歯音幹 (τ, δ, θ) の名詞


§277. 練習問題 52


1. その人は死に値する;祖国に敵対しているから。

2. 目下の (さまざまな) 面倒事は戦争が原因だ。

3. アゴラにいる人たちは金銭の不如意のゆえに困っている。

4. ゼウスにかけて、ある笑うべきことを昨日私は蒙った:というのは私は私自身の名前を忘れたのだ。

5. 親切は親切を生むが、争いは争いを (生む)。

6. 将軍は兵士たちの勇気のうちに勝利の望みをもっていた。

7. 若者たちは老人たちの忠告に傾聴するだろう。

8. 不運のなかで人は希望によって救われる。

9. 空しき希望よ、おまえ (たち) は人間の魂を欺く。

10. われわれは爪から獅子を、歌から鶯を、言葉から追従者を、声から伝令を、業から神を知る。

§278. 練習問題 53


1. πρᾱ́γματα εἶχον διὰ τὴν τῶν χρημάτων ἀπορίᾱν.

2. ἔχεις κενὴν ἐλπίδα, ὦ νεᾱνίᾱ.

3. παρ’ ἡμῖν τῑμῶνται οἱ γέροντες.

4. ἐξ ᾠδῆς ἀηδόνα γιγνώσκω τὴν ὄρνῑν (ταύτην).

5. Ἀνακρέων ὁ ποιητὴς ᾱ̓εὶ ᾖδε τὸν ἔρωτα καὶ τὸν οἶνον.

samedi 8 janvier 2022

田中・松平『ギリシア語入門』練習問題解答 (6)

田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語入門』(岩波書店、新装版 2012 年) の練習問題の解答例。このページでは第 21 課から第 24 課までを扱う。



XXI 人称代名詞


§206. 練習問題 38


1. その人たちは私たちを好み、私たちもまた彼らを好む。

2. 神はあなたに善きものを与えている;それによってあなたは神を愛し (神に) 仕えるだろう。

3. 私ではなくあなたが責任者だ。

4. 私はあなたの弟子で、あなたは私の先生です。

5. 君には子ども (たち) がいるか。——私には息子がいる。

6. 私たちをあなたがたは説得 (でき) ないだろう;なんとなれば私たちはあなたがたを信じていないから。

7. 涙は私たちにとって苦悩と悪いこととの薬である。

8. 他の人たちには他のことが好ましい。私たちを喜ばすのは私たちのことで、君たちを (喜ばすのは) 君たちのことである。〔蓼食う虫も好き好き。〕

9. 君の兄はどこにいるか。——兄は家で私とともに静かにしている。〔会話の状況が不明。電話があるわけでもあるまいに、どうしてこの会話をしている私が兄といっしょに家にいることができるのか?〕

10. 明日私たちは君たちのところへ祝宴の見物に行くだろう。

§207. 練習問題 39


1. οὐχ ἡμεῖς ἐσμεν αἴτιοι, ἀλλὰ ῡ̔μεῖς.

2. δίδωμί σοι, ὦ παρθένε φίλη, τὸν δακτύλιον τόνδε.

3. χθὲς ξένοι τινὲς ἦκον [ἦλθον] πρὸς [παρ’] ἡμᾶς ἐπὶ δεῖπνον.〔第 2 アオリスト ἦλθον はまだ習っていないが、使いたければ。〕

4. ἡμᾶς οὐ πείσει ὁ λόγος σου.

5. ἐμοὶ μὲν φίλον ἐστὶ τὸ ζῆν, σοὶ δὲ ὡς οὐδέν, ὦ ποιητά.


XXII アオリスト,現在完了,過去完了および未来完了の直説法中動相


§214. 練習問題 40


1. 彼らは川で水浴びし、神々に犠牲を捧げた。

2. 敵たちは悪行をやめた。

3. 君たちは何を論議しているのか。——私たちは何も論議していない、論議してある [し終えている] のだ。

4. 何日も私は病気のために入浴していなかった。

5. いったいまだそのソフィストの言葉はやんでいないのか。——いつになってもやまないだろう。

6. なんのゆえに彼らは戸を閉ざしてあるのか。

7. ソークラテースは 3 度出征したことがあった、デーリオンとアンピポリスとポテイダイアへ。

8. 兵士たちは敵の国へ進軍した。

9. 市民たちはもし敵たちが彼らのほうへ来るならば門を閉めてしまってあるだろう。

10. この人はアテーナイ人に対する戦争を喜んでやめてしまうだろう。〔ギリシア語の指示代名詞はかならずしも日本語の「こ・そ・あ」とは対応しない。§§137, 142 の説明のとおり、οὗτος とは「いま話題にしたところの、先述の」という意味あいがあるので、「この」と言ってもいい場合がある。〕

§215. 練習問題 41


1. ἆρ’ οὔπω οὗτος ὁ νεᾱνίᾱς πέπαυται τῆς κακουργίᾱς ;

2. ἐν τῷ ποταμῷ τρὶς ἐλουσάμην.

3. οἱ πολῖται ἐκλείσαντο τᾱ̀ς θύρᾱς τῶν οἰκιῶν αὐτῶν, ἐπέλαζον γὰρ οἱ βάρβαροι.

4. τοῖς θεοῖς ηὐξάμεθα καὶ ἐπορευσάμεθα εἰς τὴν πολεμίᾱν χώρᾱν.

5. ἅμα τῇ ἡμέρᾳ πεπαύσονται τῆς μάχης.


XXIII 再帰代名詞,相互代名詞および所有代名詞


§226. 練習問題 42


1. 悪人たちは互いを害する。

2. 賢者は自分自身のうちに財産を携えている。

3. 使者たちは将軍が彼らを派遣すると言っている。

4. 自分自身を知ることは知恵の小さくない部分だ。〔緩叙法。「小さくない」はじつは「とても大きい」知恵だと言っている。〕

5. 真実の友人たちには互いに対する嫉妬は存在しない。

6. 私たちが私たち自身のものであることほど、それほど私たちのものであるものは何もない。

7. 各々の人は自分にとって正しく見える。

8. その将軍は自分の市民たちから称賛を得ている。

9. 同じものに等しいものは互いに等しい。〔エウクレイデス (ユークリッド)『原論』の公理 1。同じ 1 つのもの A に対して、それに等しい 2 つのもの B, C がある、つまり B = A, C = A であるとき、B = C であるということ。τῷ αὐτῷ が A で、τὰ ἴσα と ἀλλήλοις が B, C。〕

10. 市民たちみずからが、彼ら自身にとっての現在の不幸に責任がある。

§227. 練習問題 43


1. ἡμῖν αὐτοῖς φαινόμεθα δίκαιοι.

2. ῡ̔μῖν συμβουλεύω, ὦ πολῖται, ἀλλήλοις πιστεύειν.

3. ἐν τῇ μάχῃ οἱ ἄνθρωποι ἀλλήλους ἀποκτείνουσιν.

4. τῑμὴν ἔχει ἐν ταῖς αὐτοῦ φίλοις.

5. ταῖς παρθένοις φθόνος ἐστὶ πρὸς ἀλλήλᾱς.


XXIV 第二アオリスト直説法能動相および中動相


§234. 練習問題 44


1. 舌 [言葉] はすでに多くの人々を破滅へ導いた。

2. 彼らは (自分たちのために) 異国の神々をよその諸部族から導入した。

3. その人は戦闘中に武器を投げ捨てて、死は逃れたが恥辱は (逃れ) なかった。

4. 何者も苦悩のない人生を送らなかった。〔いわゆる格言的アオリストとして、「苦悩のない人生を送る者はいない」と現在の意味で訳すこともできる。〕

5. スパルタ人にとって戦列を離れ戦闘から逃げることはもっとも恥ずべきことだった。

6. 彼は村人たちに村々を後にすることを強いた。

7. 私は君に似た息子を家に残してきた。

8. 僭主は死に、5 日のあいだに無法律状態があった。〔「5 日間にわたって (ずっと)」なら対格のはず。cf. §638.〕

9. 川に沿って兵士たちは穀物と葡萄酒に満てる多くの村々を発見した。彼らはその場所で 3 日間とどまっていて、(自分たちのために) 糧秣を補充した。

10. 彼らのうちのある者たちはそのまま川へ落ち、また他の者たちは逃げた。

§235. 練習問題 45


1. ὁ στρατηγὸς κατέλιπεν ἐν τῇ κώμῃ τὴν φυλακὴν καὶ εὐθὺς ἤγαγε τὴν στρατιᾱ̀ν εἰς τὴν πολεμίᾱν χώρᾱν.

2. ὁ ἀδελφός μου ἀπέθανεν [ἔπεσεν] ἐν τῇ μάχῃ.

3. ῡ̔μᾶς κελεύομεν τᾱ̀ς οἰκίᾱς εὐθὺς καταλιπεῖν.〔このあたりの不定詞がアオリスト時制なのは、継続や習慣などではない一回的な行為を表すため。時間的に過去であることや、ましてや完了であることは含意しない (完了には完了不定詞がある)。〕

4. (ἐκεῖνοι) νομίζουσιν αἴσχιστον (τὸ) τὴν τάξιν ἀπολιπεῖν.

5. οἱ μὲν αὐτῶν ἔφυγον, οἱ δ’ ἄλλοι ἀπέθανον.

vendredi 7 janvier 2022

田中・松平『ギリシア語入門』練習問題解答 (5)

田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語入門』(岩波書店、新装版 2012 年) の練習問題の解答例。このページでは第 17 課から第 20 課までを扱う。



XVII 直説法能動相副時称の人称語尾


§163. 新約聖書より


1. 善い人は心の善い宝庫から善いものを取りだすが、悪い (人) は悪い (宝庫) から悪いものを (取りだす)。

2. 神は愛であり、愛のうちにとどまる者は神のうちにとどまるのである。神もまた彼のうちに (とどまる)。

3. 汝ら自身のために地の上に宝を貯えるな、そこはしみと腐蝕が (宝を) 損ない、また盗人どもが掘って忍びこみ盗むところである。しかして汝ら自身のために天に宝を貯えよ、そこはしみも腐蝕も損なうことがなく、また盗人が掘って忍びこみ盗むこともない。すなわち汝の宝があるところ (はどこであれ)、そこには (汝の) 心もまたあるであろう。〔最終文の ὅπου ..., ἐκεῖ ... は相関する副詞。ウルガタでは ubi ..., ibi ...〕


XVIII εἰμί「ある」および φημί「言う」の現在直説法.後倚辞のアクセント


§179. 練習問題 32


1. 人間にとって時間は苦悩の医者である。〔どちらの主格名詞にも定冠詞がないので、主語は読み手が判断するしかない。X 課和訳 1. ὁ χρόνος ῑ̓ᾱτρὸς τῶν πόνων ἐστίν. にならって χρόνος のほうを主語にとるのが本命であるが、「苦悩の医者=苦悩を癒やしてくれるのは時間である」という訳も自然なのでどちらでもよいと思う。そもそも「主語」という概念がギリシア語と日本語で同一ではなく、「苦悩の医者は」と書いたとしてそれが「主語」だとは限らない。〕

2. 法は国家の魂である。

3. 神々にかけて、私たちは大地のどこにいるのか。——私たちはすでに村の近くにいる。

4. 私はそれらのことに責任はない:なんとなればまだあのときには私は子どもだったからだ。

5. かつて神々がいた、他方で死すべき者 (=人間) はいなかった時代があった。

6. ナイルはエジプトの川である。

7. 教育 [教養] は、幸運な者たちにおいては飾りであるが、不運な者たちにおいては避難所である。〔デモクリトスの言葉とされる。〕

8. 君は強いのか、若者よ。——事実たしかに私は強い。

9. 彼はその人は死に値すると言っている。

10. 彼らはそのソフィストは手紙を書かないと言っている。

§180. 練習問題 33


1. αἱ ἡδοναὶ πολλάκις αἰτίᾱ ἐισὶ λῡ́πης.

2. ἦν ποτε χρόνος ὅτε οἱ ἄνθρωποι ἄλῡπον βίον ἦγον ὡς οἱ θεοί.〔XI 課和訳 6. を参考。形容詞のかわりに ἄνευ λῡ́πης と言うこともできる (cf. XXIV 課和訳 4.)。〕

3. ὁ δικαστής φησι τούτου αἴτιον εἶναι ἐκεῖνον (τὸν ἄνθρωπον).

4. (οὗτοι) οἱ προδόται ἄξιοί εἰσι θανάτου.

5. ἆρ’ ἐστὲ ἕτοιμοι, ὦ ναῦται ;〔前の語が省音を行っているので ἐστέ にアクセントが残る (§172)。〕


XIX 疑問代名詞および不定代名詞


§188. 練習問題 34


1. 彼らはどんな [何の] 祝宴を今の時に行っているのか。——彼らはヘーラーのために祝宴を行っているのだ、異邦人よ。

2. 何のために君はその少女に指輪を与えるのか。——それがおまえにとって何だというのか、おかしな奴め。

3. 誰が敗戦に責任があるのか。——敗戦に責任があるのはその軍事委員と煽動家だ。

4. 彼らの言語は何だ。まさか彼らは蛮族ではなかろうな。〔「何」と訳したが、τίς は φωνή に一致して女性。〕

5. あなたは何のためにこちらへ来ているのか、異邦人よ。——あなたがたの (兵士たち?) の視察のために来ているのだ、勇敢な人々よ。〔「あなたがたの視察」ではない、そうであれば θεωρίᾱ にかかるのは人称代名詞 ῡ̔μῶν である。ここでは所有形容詞の複数属格 τῶν ῡ̔μετέρων が使われているから、「あなたがた」に所属する性が不明の複数属格名詞が「視察」の対象である。たとえば兵士たちとか、武具とか。〕

6. 長い (時間) を通じずに (=短いうちに、まもなく) ある客人たちが宴会に来るだろう。——その客人たちとは誰か。〔冒頭の句はいわゆる緩叙法 (litotes) で、「長くない」ということでかえって「短い」ということを強調する言いかたと思われる。〕

7. 節度とは何か。——ある種の快楽を、そして欲望を自制すること。

8. 君は現下の戦争についてどんな見解をもっているか。

9. クセノポーンはしばしば驚いてしまっていた、いったいどんな言葉によってソークラテースの告発者たちはアテーナイ人たちを説得しおおせていたのか、彼 (=ソークラテース) が死に値するということを。

10. ある人が言っていた、「私は哲学に不向きである」と。「それでは君はなぜ生きているのか」とディオゲネースは言った。

§189. 練習問題 35


1. τίνι πιστεύετε τῶν σοφιστῶν τούτων ;

2. τίνι δίδως τόν ῥόδον τόδε ;

3. τοῦ ἕνεκα ἥκουσιν αἱ παρθένοι ; θεωρίᾱς ἕνεκα ἥκουσι τῆς ἑορτῆς.〔動詞 ἥκω (cf. §117) は現在形で「来た (現在いる)」という現在完了のような意味なので、ここは現在でいい。〕

4. τί ὁ στρατηγὸς δίκην δίδωσιν ; αἴτιος γάρ ἐστι τῆς ἥττης.

5. Ἀθηναῖοί τινες λέγουσιν “ὁ Σωκράτης διαφθείρει τοὺς νεᾱνίᾱς.”


XX 現在,未完了過去および未来の直説法中動相


§198. 練習問題 36


1. 敵たちは (自分たちのために) 収穫物を畑から運んでいる。

2. 弟子よ、なぜおまえは悪行をやめないのか。

3. いつになっても人々は戦争・戦闘をやめないだろう。

4. アレクサンドロスはキュドノス河に向かって来て水浴びしていた。

5. まず第一に計画をし、それから実行せねばならない。

6. 誰も激情とともにつまずかずに計画しない。〔計画を立てるときは落ちついて。〕

7. 森のなかで休息することはなんと快いのか。〔不定詞が中性扱いになることは XVI 課の和訳 1. (注 2) で例示された。〕

8. ラケダイモーン人たちは笛とともに進軍しはじめた。

9. 私たちは (自分たちのために) 若者たちを徳へと大いに教育している。〔この中動相は間接再帰「自分たちのために」(田中利光『新ギリシャ語入門』§229 (ロ);ただし間接再帰というこの本の用語は語弊があるが)。たぶんこの若者たちは自分たちの次代を担うとかそういう点で迂遠な利害関係がある。〕

10. 私たちはその隷属から人々を解放するだろう、そしてかの人々は自由を味わうだろう。

§199. 練習問題 37


1. οὐ διὰ μακροῦ [ἐν βραχεῖ] παύσονται οἱ πολέμιοι τῆς μάχης.

2. ναῦταί τινες ἀναπαύονται παρὰ τῇ θαλάττῃ.

3. πρῶτον μὲν δεῖ τοῖς θεοῖς εὔχεσθαι, ἔπειτα δὲ στρατεύεσθαι εἰς τὴν χώρᾱν τὴν πολεμίᾱν [τῶν πολεμίων].

4. ἐν ἐκείνῳ τῷ χρόνῳ οἱ ἄνθρωποι οὐκ ἐγεύοντο τῆς δουλείᾱς ἀλλὰ τῆς ἐλευθερίᾱς.

5. ἐβουλοντο ἐν τῷ ποταμῷ λούεσθαι.