jeudi 9 novembre 2017

コーンウォール語入門 (4) 直接話法・疑問文

John Page, Cornish Grammar for Beginners. Kesva an Taves Kernewek, ⁶2002 を大雑把に訳したもの.凡例は初回を参照.


IX. 会話における medhes


この動詞は直接話法を伝えるために用いられる:
yn-medhav 私は言った
yn-medhydh 君は言った
yn-medh ev 彼は言った
yn-medh hi 彼女は言った
yn-medhyn 私たちは言った
yn-medhowgh 君たちは言った
yn-medhons 彼らは言った
注意として,以前の教科書〔具体的に何を指しているのかは不明〕は 1 単と複数形のみしか与えていなかった.伝統的な文章で記録されているのはそれらだけだったからである.〔現在のコーンウォール語はいちど話者が完全に絶えて死語になった (人によっては「なりかけた」) ものを復興させているのでこのようなことが論点になる.このさいとくに参考にされているのが 16 世紀末から 18 世紀にあたる後期コーンウォール語 Late Cornish である.〕
‘Teg yw Morwenna,’ yn-medh ev 「モルウェナはかわいい」と彼は言った
‘Ny allav,’ yn-medh Yowann 「僕はできない」とジョンは言った
‘Da yw henna,’ yn-medhons i 「それはいい」と彼らは言った
動詞 medhes は間接話法を伝えるのに使うことはできない;つまり「彼は〜ということを言った」は ev a leveris ... と訳される.


X. 疑問文


疑問の小辞は a², 否定疑問のは a ny² である:
a gar an tiek y gi ? その農夫は彼の犬を愛しているか〔gi は ki の軟音化〕
a yll Yowann dos ? ジョンは来られるか
a ny vynn ev dybri ? 彼は食べたくないのか〔vynn は mynn の軟音化〕
しかし,この小辞は母音で始まる bos, mos の時制とともには用いられない:
yw henna gwir ? それは本当か
a y das ev ? 彼の父は行くところか
これらの時制を伴う否定疑問では ny は nyns になる:
a nyns yw henna gwir ? それは本当ではないのか
a nyns a Yowann ? ジョンは行くところではないのか
その他の疑問詞:

(1) py ?「何の」「どの」は名詞とともに形容詞的に使われる:
py lyver yw henna ? それはどの本か
py den a dheu hedhyw ? どの人が今日来るのか
(2) pyth ?「何」は名詞がないとき代名詞的に使われる:
pyth yw hemma ? これは何か
以下のように場所が問題であるとき,bos の長形を用いねばならない;そして yma および ymons はそれぞれ eus か usi および esons になる:
py den eus y’n chi ? どの人がその家にいるのか
pyth eus war an voes ? 何がそのテーブルの上にあるのか
このことは疑問が動作についてであるときにもあてはまる:
pyth usi hi ow kana ? 何を彼女は歌っているのか

(3) pandra ?「何」は動詞とともに使われる:
pandr’a gar ev ? 彼は何を好きか
pandr’a vynnons ? 彼らは何をしたいのか

(4) piw ?「誰」は,場所または動作が関係しているかどうかに応じて,bos の長形または短形を要求する:
piw yw henna ? あれは誰か〔短形〕
piw eus y’n chi ? その家にいるのは誰か〔場所にもとづく長形〕

(5) ple ? (母音の前では ple’th ?)「どこ」はかならず場所に関係するので,bos の長形をとる.これは py le ?「どの場所」の縮約であって,yma と組みあわさって ple’ma ?「彼/彼女/それはどこか」,ymons とともに ple’mons ?「彼らはどこか」を作る:
ple’ma dha gi ? 君の犬はどこか
ple’mons i hedhyw ? 彼らは今日どこにいるか
ple ? は bos の b- で始まる時制形を第 5 形に変異させる:B > F:
ple fydh hi hedhyw ? 彼女は今日どこにいる予定か
ple fydhons i ? 彼らはどこにいる予定か


XI. 疑問文への答え


肯定の答えは,鍵となる動詞を適切な人称・時制・数における基本形もしくは非変異形で繰りかえすことで作られる,ただし後倚辞はなし:
yw Morwenna lowen ? ― yw モルウェナは幸せか.はい.
usi Yowann y’n chi ? ― usi ジョンは家にいるか.はい.
a vynnons i dos ? ― mynnons 彼らは来たがっているか.はい.
否定の答えは na², または bos と mos の母音〔で始まる変化形〕の前では nag を前に置く:
yw Morwenna lowen ? ― nag yw
usi Yowann y’n chi ? ― nag usi
a vynnons i dos ? ― na vynnons
この用法は動詞を活用させるとき面倒になりがちなので,会話においては助動詞 gul の適当な形を代用する傾向にある:
a garas ev an vowes ? ― gwrug 彼はその女の子を好きだったか.はい.
すばやい口語的会話においては「はい」と「いいえ」のための単語を導入したい傾向に抗うことは難しい;後期コーンウォール語 (Late Cornish) の慣用はこれらについて ya [´I.a] と na [´na:] を示唆している.

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