樋口勝彦・藤井昇『詳解ラテン文法』(研究社、1963 年、新装版 2008 年) の第 21 課から第 24 課までの解答例。
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XXI. 非人称構文
§96.
1. 私にはここにとどまることは気に入らない。
2. あの不幸な人のことが私にはすこぶる哀れに思われる。—— 私にもその人のことが哀れだ。
3. 君はそのように愚かに話すのが恥ずかしくないのか。
4. 私たちにとって裕福な男たちに嫁ぐことが大いに重要だ。
5. いつかその悪人は自分の恥知らずなことを後悔するだろう。
6. 皇帝ネローが歌っているとき、やむを得ない理由があってさえも誰にも劇場から出ていくことは許されなかった。
7. 君は病気の少女が [少女が病気で] 眠っていること、そしてすべてのことがここでは静かであるべきであることを知っているのではないのか。
8. ローマ人たちにとって毒を用いて戦争を行うことは習慣ではなかった。
9. 古代においては法律によって城壁の内部で人間が葬られる [埋葬される] ことは許されなかった。
10. ここから敵たちの町は遠く離れてはいないはずだ。
11. このように生き、このように死ぬことが私には楽しい。
12. わが母よ、あなたのことが私には哀れだ、自分のことが嫌だ。
XXII. 現在分詞・分詞の用法
§99.
1. 彼らのあいだにルーキウスと呼ばれている将軍が現れた。
2. 捕虜たちは敵たちによって解放され家に帰った。
3. そのような事実を聞いて私はびっくりする、父よ。
4. 騎兵たちはガリア人たちを凌駕し (lit. 凌駕されたガリア人たちを) 陣営まで追撃した。
5. 騎兵たちは、ガリア人たちを追って、彼らの陣営を奪った。〔secuti は男性複数主格で主語 equites に一致し、完了分詞だがデポネントなので能動の意味。〕
6. 私たちの奴隷は、あらゆる希望から見放され、頭を振りながら悲しげに退去した。
7. 旅人たちはそこで大きな川に驚嘆し長いあいだ立っていた。
8. 歌っている者の声は水夫たちの耳まで運ばれた [届いた]。
9. アンドロークレースは、偶然に洞窟から外に出たところ、兵士たちによって捕らえられ主人のもとへローマへ送られた。
10. ちょうど道の上で誰かがイチジクを売っているのを聞いたところだ。
11. 岩石のなかで発見されたのは文書で、血だらけの文字で書きつけられており、それを奴隷は走って主人のもとへ持ち帰った。
12. 母と娘は涙に暮れながら互いに抱きあっていた (lit. 互いに対する抱擁でつかんでいた)。
13. というのも、裕福な者たちだけに喜びが降りかかるものでもなく、生まれて死んで気づかれなかった (=無名のまま死んだ) 者が悪く生きたのでもないのだから。〔前半は solis が solus の複数与格で divitibus にかかる。後半は qui, natus, moriens がすべて単数主格なので主語を説明する分詞とわかる。〕
14. 私は (彼らが) 贈り物を運んでいてもギリシア人たちを恐れている。
XXIII. 不定法完了・未来,間接話法 (2)
§106.
1. 敵たちはローマ人たちに戦争をしかけようとしていた。
2. 「私には思い出されるように思われる」と彼は言う/言った、「かつてエーゲ海で航海することは海賊のせいで危険であったことを。」
3. 「要するに彼は私を愚弄したのだと疑っています」と商人は笑いながら言う/言った。
4. それについて罰を君が受けないであろうことを私は望む。
5. 君は正しく言う、ほとんどすべてのローマ人たちが禿頭を嫌っていると。〔omnes は複数 (主・) 対格の形なので直後の女性単数対格 calvitiem にかかるのではない。〕
6. ホラーティウスの祖国はウェヌシアの町だった、そこへ私は私たちが明日到着することを望んでいる。
7. アポッローはアテーナイ人たちに言っていた、彼らは木造の壁によって守られるであろうと。
8. 私は彼を、たとえ彼がカルターゴー人であったとしても、高邁な外国人であったといつも思っていた。
9. これらのことについてあなたは言ってください、兄さん、というのも私はあなたがコルネーリウス・ネポースの書でこれらのことを最近読んだと考えているから。
10. 君は聞いたか、彼が何度か母を殺そうと試みたということを。
11. 彼は望んでいた、彼自身が兵士たちによって将軍の称号で呼ばれるであろうことを。
12. 希望と不安のあいだで、恐怖と怒りのあいだで、信じなさい、すべての日は君にとって最後の日として明けることを。〔crede は命令法現在。diluxisse の不定法完了は格言的完了。supremum は omnem diem に同格で、これだけなら「最高の、最後の」どちらともとれるが、英訳や独訳をいくつか参照するとどれも「最後の」と訳していた。〕
XXIV. ABLATIVUS ABSOLUTUS
§108.
1. 金を受けとると (lit. 金が受けとられると)、シビュッラは本を渡した。
2. そしてそのことを言うと、王は若者のほうへ近づいた。
3. テーセウスは怪物を殺すと無事で戻った。
4. 水をそこから汲むと、(彼らは) 王のもとへ無事で退却した。
5. 母は息子を呼ぶと、言った、「穀物はもう熟していると見えるか。」
6. 夜のはじめに、ネローは、毛皮の帽子を頭にはめると、道々と飯酒店をめぐってさまよいはじめた。
7. ローマ人たちをカンナエの戦いで打ち破ると、ハンニバルは数多の町々を占領した、そして最後には誰も抵抗しないなかローマへ出発し、都の近くにある山々に陣取った。〔urbi はローマのことで propinquus が要求する与格になっている。〕
8. 蝋が太陽の熱で柔らかくなると、不幸な少年イーカロスの翼はとけてしまった。
9. 著名な競技者ポリュダマースは、かつて突然の嵐で岩穴のなかへ若干の仲間たちとともに避難することを強いられたと言われている。
10. 追い剥ぎは金を奪いとると森のなかへ女とともに急いで戻った。
11. 奴隷の怒りは金貨を見ると少しずつ静まりはじめた。
12. すでに日が暮れてくると、旅人たちはある別荘に厚遇をもって迎えられた。
13. クィーントゥス・オグルニウスとガーイウス・ファビウス・ピクトルが執政官のときにピーケーヌムの住民たちが戦争を引き起こし、続く (=翌年の) 執政官プーブリウス・センプローニウスとアッピウス・クラウディウスによって破られた。〔紀元前 269 年と 268 年のこと。commovere は完了 3 複 commoverunt の別形で、不定法現在とは mo の長短が違う。〕
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